Films 映画フォント! 

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今まで連載をしてきた「欧文書体Q&A」が1冊の本になります。


 私がここドイツのライノタイプ・ライブラリ社でタイプ・ディ
レクターとして就任して4年間になります。書体デザイン界の2代巨匠であるヘルマン・ツァップ氏、アドリアン・フルティガー氏とフォントを共同開発をするかたわらで、雑誌『デザインの現場』で2004年から連載をしてきた「欧文書体 Q&A」が一冊の本になります。

タイトルは『欧文書体:その背景と使い方』です。もちろん連載の文章からは発展させるように大幅に手を加え、新たに書き加えてもいます。学生や初心者の方にもわかりやすいように、書体名はローマ字とカタカナと両方で表記しました。書体の特徴をつかむための図版、特殊な記号の使用例の図版も多く入れてあります。

以下はおもな項目です。この他にも欧文書体の勉強におすすめの書籍一覧など、これまでほとんど日本では書かれていないことばかりです。読者の方にとっての新たな発見がきっとあります。美術出版社からの刊行は6月を予定しています。




●恥をかかないための組版ルール(ちゃんとした引用符の使い方をはじめ、イタリック、合字、ハイフンとダーシの使い方などを解説します)

●フォントの中身(この記号何?どこに使うの?といった疑問に答えます)

●頼りになる定番書体(ただ並べただけでもかっちりとまとまる本文書体、これからも使われ続けることが確実な優良書体を紹介します)

●似たような名前の書体の比較(いくつもある Garamond の違い、Times Roman と Times New Roman の違いなどをお見せします)

●欧文フォントの選び方(時代・雰囲気・お国柄を軸にした選び方を紹介します)

●ひとクラス上の使い方(本文書体と見出し書体の組み合わせ、大文字小文字の使い分け、オールドスタイル数字、ローマ数字、スモールキャップなど格式のある組版に必要なバリエーションについて解説します)

●スクリプト体を使いこなす

●欧文書体の作り手から

●名作書体をさらに良くする仕事


文章(ライノタイプ・ライブラリ社 タイプ・ディレクター小林章)