■■■ Palatino™ nova OpenType CD ■■■
活字・写植・デジタルの3世代を通じて最高の Palatino:
Palatino nova (パラティノ・ノバ)
半世紀以上前に設計されて、いまだに定番書体であり続ける Palatino が、オリジナルのデザイナーであるヘルマン・ツァップ(Hermann Zapf)氏とライノタイプ社とのコラボレーションで Palatino nova となって生まれ変わりました。ツァップ氏とライノタイプ社タイプディレクター小林章との共同作業による改刻は Optima nova、Zapfino Extra に続いてこれで3作目になります。
20世紀の最も有名な書体のひとつに数えられるこの書体のデザイナー、ヘルマン・ツァップ氏は、1918年にドイツのニュルンベルクで生まれました。現在 87 歳で、現役の書体デザイナーです。若い頃は本を頼りに独学でカリグラフィの訓練をして、二十歳の頃にすでにオリジナルの活字書体を世に出しました。カリグラフィと書体デザインと両方の世界で有名で、著作も多く出しています。
ツァップ氏との Palatino 改刻の作業は約1年半かけて行われました。作業のほぼ完了する段階で、ツァップ氏にあらためて活字・写植・デジタルの3世代の Palatino について小林章がたずねています。以下はその時のツァップ氏の話を簡潔にまとめたものです。
「活字の Palatino の小文字 g、j、p、q、y は全部気に入らなかった。活字の Palatino の制作当時は、1905 年に制定されたドイツの活字デザイン基準に従わなくてはいけなかったんだ。その基準というのは、ドイツ文字のプロポーションをもとに決められたもので、ディセンダー(小文字 g、j、p、q、y の下に伸びる部分)が極端に短かったんだ。そんな基準の範囲内で、まともなデザインのローマン体を作るのは大変なことだったよ。また、写植の時代には写植機の機構上の制約のために字形も変えたし、当然スペーシング(文字間の設定)にも無理があった。しかしそれらのデザイン変更や調整はみんなエンジニアがやっていて、私は口出しできなかったんだ。今のデジタル版 Palatino は、写植の時代の原図を大急ぎでデジタル化したものだから、Palatino で組んである印刷物を見るたびに、文字間のまずい部分が目についてしょうがないよ。Palatino nova では、それを納得いくまで修整できたから、やっと満足できる Palatino になったと思っているんだ。」
約1年半かけて改刻した Palatino nova では、個々の文字のリデザインだけでなく字間も改良し、全体的にゆったり読みやすくまとめてあります。
また、Palatino のファミリーの中のバリエーションという意図で活字時代に設計されたツァップ氏による書体 Aldus、Michelangelo、Sistina もPalatino nova のなかに収められています。デジタル時代の利点を活かした改刻をして、名前も Aldus nova (アルダス・ノバ)、Palatino Titling(パラティノ・タイトリ
ング)、Palatino Imperial (パラティノ・インペリアル)と名前を変えてのリリースとなりました。Aldus nova は本文に向く書体、Palatino Titling は細身で格調高い見出し専用書体、Palatino Imperial はどっしりとした太さのある見出し専用書体です。
比べてみよう!:これまでのデジタルの Palatino と、Palatino nova との比較
(上記図版の解説)
大文字 A は金属活字時代の見出しサイズのデザインを元にしました。少し右に傾いて勢いがあり、横画の位置は上がってPalatino の本来のエレガントさを取り戻しています。大文字 E、R はスリムに、セリフは全体的に短くしました。小文字 t、y の並びが揃うように t のデザインを変更してあります。
比べてみよう!:イタリック体での比較
(上記図版の解説)
小文字 w、x、y、z などのデザインは、カリグラフィ的な抑揚は残しながらも装飾的な巻き込みを抑えてすっきりさせています。改刻版は、ローマン体・イタリック体とも全体的に腰高にスリムになった「21世紀の Palatino 」です。
文章・小林章 (Linotype 社 ・タイプディレクター)
Aldus, Avenir, Compatil, Frutiger, Optima, Palatino, Sabon, Syntax and Univers are trademarks of Heidelberger Druckmaschinen AG, which may be registered in certain jurisdictions, exclusively licensed through Linotype GmbH, a fully owned subsidiary of Heidelberger Druckmaschinen AG.
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Aldus™ nova Book | Aldus™ nova Book Italic |
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*西ヨーロッパ(アフリカ、バスク、ブルトン、カタロニア、デンマーク、オランダ、英語、フィンランド、フランス、ゲール、ドイツ、アイスランド、インドネシア、アイルランド、イタリア、ノーウェイ、ポルトガル、サモス、スペイン、スワヒリ、スェーデン)
*セントラルヨーロッパ:クロアチア、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、セルビア(ラテン)、スロバキア、スロベニア、トルコ
*上記言語サポート+ギリシャ語+ロシア語をサポートしているウェイトは、 Regular, Italic, Bold, Bold Italic の4ウェイトのみ
*Titling は、ギリシャ語のみサポート